身体を蝕む病

9年前、風邪のような症状が何日か続き、近くの病院で診察を受けましたが風邪と診断。

数日後、座っていられないほど腰が痛くなったため、学校を休み母と総合病院へ行きました。整形外科を受診したところ、その医師の的確な診断により病気を発見してくださり、私は訳も分からず別の病院へ行くことになりました。

説明もないままたくさんの検査をされ、気づくと窓の外は真っ暗に。出張先から駆けつけた父に「いつ帰れるの?」と聞いた記憶があります。早く帰りたいと思っていた私の思いも虚しく、連れていかれたのは無菌室というビニールに囲まれた殺風景な一人部屋。

そこで医師に告げられたのはこれから約1年間は入院しなければならないということでした。

それまで、バレエ漬けの生活を送っており数週間後に国際コンクールを控えていた私にとって、1日でもバレエを休むことが悲しくて、悔しくて毎日毎日泣きました。病院の先生や両親に当たってしまう事も多くありました。

当時、両親の希望で私には伝えられていませんでしたが、私の病気は「急性骨髄性白血病」という小児には珍しい型の白血病でした。

思えば症状はもっと前から出始めていたのかも知れません。学校での体育やバレエの途中に、急に視野の3分の2が暗くなり見えなくなることがありました。そして、その症状は30分後くらい続き、治ったと思ったら今度は急激な偏頭痛のような痛みに襲われるのです。

割と体に症状が出ていたのにも関わらず、それが異常と思わず友達と過ごすことやバレエが大好きだった私は「今休んだら、時間がもったいない」「もっと遊びたい、練習したい」という心理が働き、身体を労ることをしませんでした。我慢強いとかそういうことではなく、当時の私はただただ自分の身体に関する知識がなかったのです。

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